ギャンブルに狂っていた時の敵は誰だったんだろう。
そんな疑問が、ふと浮かんだ。
敵は借金だったのか。
こんな僕を産んだ親なのか。
勝てなかったパチ屋なのか。
かっこよく言えば自分なのか。
浮かんだ選択肢は全て間違っていた。
そもそも最初から敵なんていなかった。
依存症という病気は、僕の考え方を捻じ曲げた。
捻じ曲げられた考えは生き方になってしまった。
僕の生き方は死に方ばかり考える生き方になった。
依存症という不治の病に向き合ってみた。
向き合えたのは回復のためのプログラムのおかげ。
スポンサーのおかげ。仲間のおかげだった。
すると僕は捻じ曲がっていた僕の考えに気づいた。
気づいて直そうとした。
直そうとしたら生き方が変わり始めた。
変わり始めたら僕は、より良く生きることばかり考える日々を迎えるようになった。
だからこそ答えが出せるようになった。
僕にはそもそも敵はいなかった。
敵がいない人はムテキなんです。
そう、僕はずっとムテキなんだって事に気がついた。
このメッセージが目に見えない敵と闘っている
仲間たちに届きますように。