NO IMAGE

【1日たりとも忘れない】

その誓いは守れているだろうか。

回復を完遂して雲を突き抜け

空へ駆けあがった仲間たちへ。

お盆には間に合わなかったが仲間への想いを昇華できるよう一日たりとも忘れずに彼らの永眠を祈ります。

Bと最初に出逢ったのは東北の集い。

喫煙所に居る東北の仲間たち。ひときわ目立ったのが熊のような大きなガタイのおじいちゃん。

図太い態度と、彼を囲む仲間たちの風貌から、おおよそ裏社会の人かと思って近づかなかった。

それが彼との出逢い。

僕は、その後、大病を患い人生のどん底を東北の病院で過ごす。

同時に東北の仲間たちに救われた恩を返さねば・・という気持ちも強く芽生える。

僕はリハビリ中にも関わらず翌年の東北の集いにも参加しスピーカーを志願して出た。

彼も去年会った仲間たちも、朝イチからスピーチ中に泣く僕に駆け寄り話してくれた。

俺も病気した事あるよ。もう、こんな年だから治療も何もしねーけどよ。

タバコ?これは害じゃねぇよ。

タバコの形をしたチョコだよ。

煙を吐きながら笑う。

どれだけ生きれるか?じゃなくて生きてる間に何をするか。なんだよなぁ。

話し終わるとニヤリとして

ロータッチのように腰辺りをポンと叩く。

非言語の【ガンバレ】というメッセージ。

彼は仲間たちにメッセージを届けながら、病気でこの世を去った。

訃報を聞いた時には葬儀も済まされていた。

僕は彼のお墓に参れていないのが今でも心残りである。

————–

Mは、元気にミーティングに参加する人だった。僕が苦手な感じのおばさん。背筋をピッと伸ばし

ギャンブルさえしなければ、まともなんですよ!って感じ。

当時12ステップを学び実践しようとしてる人は多くなかったからか僕に近づき

ステップってどう?

神様っているの?

なんでギャンブル止めようと思ったの?

と根掘り葉掘り聞いてきた。

距離感の問題で僕は少し離れたかった。

昼にメール受信。

さちさん、こんにちは。今日も朝からギャンブルしようと思わなくなりましたよ。

返信

良かったですねぇ、引き続き一緒にやめましょうp(^^)q

往信

さちさん、夕方になって少し危ないです。どうしたら良いでしょうか?

返信

あと、○日で9か月じゃなかった?もう少しですよ。オレンジのキーチェーンもらいましょ(^∧^)

再往信

さちさん、お風呂に入ったらスッキリしました。今日も1日ありがとうございました。

次の日

さちさん、おはようございます。昨日はありがとうございました。

などなど。少し距離の縮め方が早いというか僕にとっての気持ちよい距離感じゃないというか。

そんな彼女からは、突如連絡が来なくなった。

突然の難病で入院したと他の仲間から知らせが入った。

無菌室だから連絡が取れない。

そう聞かされたとき、僕は少し安心してしまった。

毎日連絡してやり取りしなくても良いんだ。

肩の荷が下りたような感覚だった。

しかし、彼女はどうにかして携帯を手にしたようで、2週間音信不通だった後に突然連絡が来た。

さちさん、私、神様の存在を信じられるようになりました。ありがとうございました。

普段なら既読スルーする、そのメールに僕は2日後に反応した。

M さん、なんで携帯持ってるの?大丈夫?早く元気になって年が越せたら良いね。ではまた。

僕のメールは未読のまま彼女は菌をもらってしまい、この世を去った。

一周忌で参らせてもらったが2日間メールを寝かせたことを後悔した。

————–

Sちゃん

僕は彼と会った事はない。常に入院しているか、出てきても会場で会うことはない。

でも、僕たちは良く知り合っていて回復を共に歩む仲だった。

知り合ったのはオンライン・ミーティング。

今でも続いている日曜朝のグループで、声だけを何年も聞き続けた。

ある地方のOSM に行った時、彼のスポンサーと一緒に飲み食いしていたら、電話を受けたスポンサーから

さちくんに代わってだって。と携帯を受けた。

『さちさ~ん、こんな俺にもスポンシーさんが出来たよ~、本当に嬉しい。本当に嬉しいよ~。』

GA そしてスポンサー・仲間たちは、どん底まで落ちた彼を救い人生に喜びまで与えていた。

普段、SNS の会話を通じてネガティブな発信が多かった彼の喜んだ声は耳の中に残るほどだった。

入院が続いているからか、オンライン・ミーティングにも顔を出さない日が続いた。

メールは繋がるようなので何度か様子を聞いた。彼は素直に返信してきた。

今日は朝から体調悪いです。返信出来ないので今日はこれですみません。

今日は怒りで溢れています。祈ってますが恨みとかはなかなか消えないですね。

僕は彼の復帰を待ちつつ真夏に開催されるトリムタブ船橋のOSM の準備に追われた。

OSM 当日、ゲストスピーカーが開会に間に合わずバタバタとやって来て、一言目の挨拶が

『さちくん、Sちゃん昨日亡くなったって』

だった。

そこから頭の中を彼が支配してOSM は楽しめなくなってしまった。

Sちゃん。そっちは楽しいのかい?

僕の耳に残るテンションの高い声で、また教えてよ。。ね。

————–

Tくん

君の死は近すぎてツラい。形式的に一周忌ミーティングをやったとて、心はデジタルに切り替えられない。

歌が上手だったり、僕をライバル視したり、こわばってた初期の頃からの回復ぶりは君を知る

全ての仲間たちが脱帽したよ。

トリムタブの誇り。

ありがとう。

ブログでは書ききれない君との思い出は

1月が来る度に語ろうと思う。

僕が生きてる限り。僕がメンバーである限り。

————–

4人の仲間たち以外にも病気や事故で亡くなった方はまだまだ居る。

僕は関わった全ての仲間たちに感謝し

特に亡くなられた方々は盆期間中に手を合わせ祈るようにしている。

僕が生きてるということは

僕にはまだまだ、やることが残されているということ。

仲間が悲しみの中に居ないように

僕は利他的な行動を続けます。

そこで、見守っていてくださいね。

ありがとう。いつかまた。

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!

ギャンブル依存症についての最新記事4件

Created with Visual Composer