ある夫婦の家に招待された。妻同士が同じ病院で出産し、車で10分圏内。更に同業とのことで心の距離は近いという。
旦那さんは初対面、子供を連れて全員で遊びに行った時の話。
向こうの子も男の子。出産で出逢ってるので当然同い年。発達が順調なのが我が家との違いかな。
理由はさておき、我が家と同じく夫婦だけで長年過ごし、子を授かってからは形を変えて3人で日々を歩んでいる。
中庭があり、コンシェルジュやコンビニがある高級マンション。CMとかで、よく聞く高級シリーズ。
地区は、ここ5、6年でモンスター開発、家を買うにも5,000万円だと厳しい感じの地区になっている。
そんな彼らが私たちに伝えたい事とは。
まずは、その高級マンションが10年前に買った値段よりも高く売れたこと。
ローンの残金は売却で賄えることだった。
旦那は、その業界では高名な先生に付き地元(県内)では有名な所に勤め、ある部署を束ねるトップである。
10本ほど入るワインセラーからワインを取り出し
『一本、赤だと思ってたら白だったので、まだ温いんです。本当はこれを飲んで貰おうと思ってたんですが』
と、おそらく高そうなワインをちらつかせながら、他の珍しいワインを妻が戴いた。
※私は運転手なのでジュース
ここまでは単純な金持ちっぽいイヤミである。
僕はある不思議から、夫妻に突っ込まざるをえなかった点を突いた。
『ここまでのステータスを得て尚、奥さんが働くのは何故でしょう。必要充分じゃないか?』
『いやぁ、ご主人。話が早い。』
と続けざまに旦那から次の話へ展開される。
『実は、お宅のマンションの近くに家を建てて引っ越す予定で、しばらく使わない部屋を2部屋用意している。
現在のローンの残金は売却で賄えても、新たに大借金を負う。
3人にしては大き過ぎる家のローン。今から背負うには半端ない金額。
そこで将来的には、そこで自宅に人を呼んで商売(講座)が出来ないか考えている。
それくらいのステータス・知名度は、その間の得ておく。
でも、その将来も先の話で部屋がもったいない。お金を生む仕組みを何か考えられないか妻に聞いたら、
さちさんの奥さんは仕事をしたくて困っていると聞いた。という話になった。』
妻は確かに使える資格を豊富に持ち子育てがなければ社会人として高い対価を得られる人である。
彼の考えを要約すると、私の妻が彼らの自宅で出来る何かをし、場所代を請求したい考えの様子。
裏にあるのは
妻から聞いたよ。障害児の子育て大変で働けないでしょ?
家を貸すから何かやってみたら?的なオファーでした。
話すことを話し酒もすすみ気持ち良くなった旦那が子供を連れてコンビニに出た。
ここからの話があって、この苦痛な空間に私たちが選ばれた本当の意味が分かるようになるのですが・・・
旦那の居ない間に奥さんがホンネを伝えてきた。
『私も本当は子育てに集中したいんですが、この業界(旦那と奥さんの業界)は全般的に給料が低いんです。』
『旦那は土日になると好きなスポーツしに行き、好きなだけ酒を呑みタクシーで帰宅しますが
実は、そんなに余裕はないんです。本当は・・だから、私が働かなきゃいけないんです』
『今回の家の事だって散々もめましたが、マンション売却で頭金が出来たので大きな借入れが出来てしまったのです。
旦那が<人生は勝つか負けるかしかない>と言ってるのを聞いて、私も稼ぐしかないと思って働いているんです』
『少しでも何とかならないか考えた時に奥さん(さち妻)はスペースがあれば仕事がしたいんじゃないか?
と思って今日相談しようと、お声をかけたんです』
とのこと。
僕たち夫妻には全てが繋がった。
妻との会話はアイコンタクトだけ。
(はいはいはい。そういうことか。)
旦那は僕側の人間。奥さんは妻側の人間だったんですね。
ブログを読んでくれている方には分かると思いますが(笑)
タイミングよく帰ってきた旦那のおかげで奥さんの話は切り上げられ、今回の話は持ち帰りとなった。
僕は旦那さんに伝えた。
『支えあって生きていきましょう、今日のところは即返事は出来ませんが』
旦那さんには支え合うという意味は通じなかったようだ。彼はコンビニに行く前まで
僕らに格安でスペースを貸す提案をした偉い人なのですから。
奥さんも妻も理解してくれたその言葉で締めて帰宅した。
★次に伝えるだろう返事★
お手伝いは可能ですがお金を稼ぐ仕組みを作って運営レシピをお渡しします。
それを実行するかどうかはお二人で決めてください。
妻は仕事をしてお金を稼ぎたいんじゃないんです。自分のスキルアップの為に働きたいんです。
自宅で仕事をするよりスキルを高めてくれる組織の一員を選びます。
お金の件で言えば、我が家はお金にこだわり過ぎてた過去があるので執着しないようにルールを決めたんです。
僕らはそれに従って生活しています。
だから主体的に提案に乗らせてもらうわけにはいかないのです。申し訳ない。
運営レシピは数多くの個人事業主へ提案し実績のあるレシピですが薄利でギャンブル性はありません。
(そして僕は予想する。)
今の彼ではレシピを使わない。
少しでも利益を得ようとし、いつかは失敗するでしょう。
彼が落ち込んだ時に僕はいつか旦那さんと分かち合いたい。
僕は背伸びをして人生に疲れ果てた経験がある、背伸びすると高い所の果実がとれる事もあるけど
ずっと、足のつま先が痛くて
ふくらはぎが痛くて
疲れちゃうんです。
その痛みをおさえるために好き勝手やって
妻や家族を傷つけて来ました。
僕の人生は他人に勝つことで高い地位が得られると思ってました。
若い頃は尖ってました。それが正しいと思ってたから。
しかし、それは間違ってました。
僕に出来ることを出来るだけ誰かの為にやってみる。
ただ、その繰り返しで僕は【さちさん】という個を形成している事に気づいたんです。
それは地位が高いとか低いとかではなく社会における個が存在し
影響しあうことで社会に溶け込んで自尊心が獲得出来るんです。
僕という個がいて
僕というパパになって
僕という旦那になって
僕という子供になって
僕という友人になって
僕という社会人になってる。
それだけで良いんだと思ったら背伸びをする必要が無くなったんです。
すごく楽になりましたよ。
すごく幸せですし。
今の旦那さんはどうですか?背伸びしてなきゃいーなーと思ってまして。
旦那さん、最初にお会いした時の別れ際に言った言葉を覚えてますか?
支えあって生きましょう。
その時には開け損なった高そうなワインも戴くことにしようかと(笑)