あなたにとって幸せとは何ですか。

裕福に暮らすこと。
自分の好きな事だけをして過ごせること。
誰にも邪魔されないこと。
本当にそれが幸せなのか。僕は問いたい。

ある奥様が話してくださったことです。

個人が特定されない匿名性を大事にしながら綴ります。

結婚15年近くで旦那様が突然自死を選ばれた。
葬儀の後、直面したある事実について僕はどう感じるか。
という投げかけでした。

夫妻は、子供を授からなかったが、早々に諦めたわけでもなく長年の努力をしていたようでした。

それまでの期間に費やした時間や費用、努力などから

奥様は、どうしても一人は子供を授かりたいと、諦めようと決心するまでに時間が掛かったと言います。

最初の頃は妊活に対して色々あったけど、旦那様はイヤな顔をせずに一緒にクリニックに通ったりされたようでした。

妊活がうまく行かず

二人で過ごそうと決心をされた後は、それまでと生活を一変させて二人での生活を楽しむようになったそうです。


しかし何の予兆も遺書もなく、旦那様は逝去されたそうです。

葬儀や挨拶など一連の行事が終わり
自失呆然の中、遺品整理をしていると旦那様の隠し口座の通帳を発見しました。

銀行自体は給与振込の銀行ですが、知らない口座。


中を覗くと200万もの残金があったのと、何よりも驚いたのは200万円よりも、もっと高額なお金が、銀行から振り込まれていたという事実でした。

宝くじなのか株の換金なのか

借金なのかも分からない。。


10万円から20万程度を引き出し、大金が入った後は、減っていくだけの口座だったようです。

それを見つけた時、奥様の後悔は深まったと言います。

【最期まで旦那様に充分な小遣いをあげられていなかった。】

『妊活』の為にお金を貯めなければならなかったから、お金に関してはガミガミ言ってしまった。

もう少し残業代とか稼げないかと言ったこともあった。


自分のパートを増やさないと今の収入では、とても妊活が出来ないとイヤミを言うこともあったようでした。

また最初の頃は、お金に関して、お互いに責め合ったりしたこともあったようでした。

こういった事実の中、僕に問いかけられた(どう思うか?)は以下の内容でした。

全て奥様の想像です。

・小遣いが少ないのがイヤで、宝クジ買って当てたのかな。

・長引く妊活を考えて当選金は全部自分のモノにしたくて言えなかったのかな。

・宝クジが当たってたので少ない小遣いでも、何一つ文句を言わなかったのかな。

・残りが少なくなって来たから死を選んだのかな。

・風俗等で、隠し子がいるかもしれない。隠しきれなくて死を選んだのかもしれない。

・入金はどこかからの借金だったらどうしよう。私はとんでもなく旦那を苦しめていたのかもしれない。

精神的に不安定な中で話された内容なので
自責の念と他責の気持ち
妄想とぶつけようのない怒りが込み上げた投げかけでした。

僕はどう感じるか。
発言するには重い内容でしたが
僕は奥様の感情に寄り添いながら
旦那様の『優しさ』も感じられたので言葉を選びながら話を聴き終えました。


そして僕は答えます。

まずは正直な告白、相談ありがとうございます。
旦那様の突然の逝去。その後見つけてしまった隠し財産。誰もが驚き、心が苦しくなる状況です。

今、その事実に対面されているA様のお気持ちを察しております。

また2つ、事実を申し上げます。


1つ目は銀行は、目的もなく高額のお金を貸しません。
更に、銀行から『振り込まれている』のであれば宝くじに高額当選されたものか株の換金の線で間違いないと思います。

2つ目は、私にも子供は居ません(当時)。小遣いが少ない所までは一緒ですがイヤな顔せずに奥様をサポートしてた旦那様は、本当に素敵な旦那様だと感じました。

そんな旦那様だからこそ、こうだったんじゃないかと私は思うのですが。。

確かに小遣いが少ないと感じて宝くじや株の売り買いをしていた。

小さな夢を持ち続けることでストレスを解消していたのかもしれないです。

しかし、夢は現実となりました。とても奥様に隠しきれない金額が自分のものになった時、話すべきか隠すべきか悩んだはずです。

しかし隠す方を選んでしまい、少しずつ、やりたかったこと。買いたかったものを買ったのかもしれません。

金銭的な欲求は満たされましたが、彼はずっと隠し続けた事実に苦しんだはずです。

不妊で悩んでいる奥様の隣りにいながら、自分だけ満たされているのに罪悪感を覚えたと思います。


その罪悪感は、その人のことが好きであればある程深いものです。

いつか言わなきゃと思いながら言えない日々は自分の心を傷つけます。
悩んでる相手を慰めている自分の心は苦しさで締め付けられます。


旦那様は、大好きな奥様にウソをつき続けるのが耐えられなくなったんじゃないかな。と僕は考えました。

奥様は、すごく愛されていたんです。

だから奥様を傷つける前に自死を選ばれたのではないでしょうか。

今日、奥様を通じて私に話をされたのは、奥様への想いを私の口を通じて伝えたかったのかもしれませんね。

うまく伝えられたかどうか分かりませんが選んでもらってありがとうございます。

奥様は僕の目の前で号泣しました。


号泣した後、ありがとうございます。とお礼を言われました。

ブログを読んでる皆様は知っている話ですが
僕には奥様に伝えていない3つ目の事実があります。

僕はギャンブル依存症でウソをつき続けるのが、どれくらい自分を傷つけるのかを知っています。


相手を想えば想う程、死にたくて仕方ない日々をニコニコしながら過ごす苦しみを知っています。

だから思うんです。
人によって幸せは様々ですが、乗り越えるべき一歩を踏み出さないと『本当の幸せ』は分かりませんし掴めません。

旦那様にとって
お金を持つことは幸せだったのか。

もし、『お金は偶然だが、できたよ!これから無理せずにできる事をやっていこう』と言えたら。

夫婦で、お互いに無理をせず笑顔を絶やさない二人で居られたら。

旦那様が亡くなっても奥様は不幸ではありませんでした。

亡くなっても尚、互いを想う愛で包まれていました。

その事実を確認できた事で、大量の涙に押し出されるように奥様の疑念は晴れました。

 

人によって『幸せの定義』は異なります。

 
ちなみに僕の幸せの定義は
僕に関わった人たちが幸せになり、その過程を見られることです。

あなたにとって幸せとは何でしょうか?

一度考えてみるキッカケとなれば幸いです。

追伸
奥様は現在、前を向いて趣味を仕事にされています。
随分白髪が増えましたが
『良いのよー、恋愛する年代でもないんだから気にしてないのよ、染めるのも面倒くさいから』

と元気に過ごされています。

大金の答えは聞いていません。お金自体が意味のない疑念の始まりでしたが、疑念は晴れましたから。

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