10年前、Sさん(女性)は同じ病院に通う仲間と自助会に現れた。

自分の苦しみを表現するのが上手なので、僕はてっきり話し慣れている人だと思っていた。

休憩時間に喫煙所へ向かう。当時、タバコを止められなかった僕も喫煙所に行き詳しく話を聞くことにした。

しかし、軽快な口調とは相反するようにSさんのタバコを持つ手はプルプル震えていた。

突然話しかける男性を警戒していたように思う。

自助会に繋がるまでの話を聞いた僕は、その勇気を労い声を掛けた。

 

そして、その一言は出会いから10年経つSさんの心に残ったようだった。それに昨日気付かされた。

Sさんのバースデー、しかも10年という連絡を仲間から受けていた。僕は先にお祝いのメッセージを送ろうと考えていた。

しかし仕事に忙殺されバースデーまでにメッセージは間に合わなかった。

僕は普段は未読スルーしているキャリアメールの連絡帳から、Sさんの検索をしようとすると

なんと!Sさんからメールを受信。前述の『一言』から繋がることが出来たと先に感謝を述べられた。

 

僕は以下【返信内容】のように返信した。

Sさんにとって、その過去は懐かしいと思う。

【返信内容】

思い返せば、同自助会(女子)の歴史はSさんから始まったような気がします。


10年前は12ステップやってる人も少なく、神様という言葉も歯痒く感じる仲間も多かった。

男ばかりの自助会の世界にSさんが舞い降りてきて、力強くメッセージを発していきました。

ギャンブル依存だけではなく総合的に依存。


病気からくるコダワリや生きづらさを抱えながら
仲間たちと共に歩む、出会ってからずっと

そんなSさんを僕は見てきました。

初めて仲間の車で出かけた地方のOSM
『さちさんが同じ車に居てほしい』

タバコを吸いながら震えていたのを思い出した。

しかし、僕以外の男性の仲間とも話し

車を降りる頃には仲間たちを信頼できるようになっていました。

仲間の回復を目の前で感じた出来事でした。

そして、お互いにスピリチュアルに成長する中で、僕にはできずSさんにしか出来ない事がありました。

それは女性ギャンブラーで精神疾患、鬱が併発し、時々誰も信用出来なくなる仲間たちに対する寄り添いです。

これが僕には出来ませんでした。


どうせ、さちさんには分からない。

男性には、分からない苦しみがある。

目の前の女性ギャンブラーが死にそうな叫びを発している時、僕はSさんに連絡するしかありませんでした。

Sさんは、仲間たちに深く共感し繋がり続けるアドバイスをしていました。

いつの間にかSさんの周りには仲間が集まるようになりました。

苦しみを理解し乗り越えた過去を持つSさんは、仲間たちの希望として、正に自助会の顔となりました。

そんなSさんも10年。


10年は長いようですが、僕らの狂ってた期間を考えると回復期間としてはまだまだ。
神様は『もっと上へ、もっと上へ』と誘ってるはず。

これからのSさんの大活躍にも期待しつつ


10年おめでとうございます。
10年ありがとうございます。
10年といわず、これからも永遠(とわ)に共に。

最新情報をチェックしよう!

仲間たちの雨のち晴れの最新記事4件

Created with Visual Composer