母は仕事。父も仕事。

誰も相手にしてくれない。

兄は力任せにプロレスごっこ。

助けて。

 

誰にも届かない声。

リトルさちが経験した過去。

ある自助会で初めて話した過去でした。

最初にステップを学んだ8年前(2011年)。

いや、、初めて話したのではない。

初めて思い出した過去だった。

古い壺の中に溜めておいた過去の感情。

開けてみると

僕は寂しさに押し潰されそうになった。

何があったの?大人の僕が問いかける。

リトル『お兄ちゃんにギュって、つねられたんだ』

他にはどんなことがあったの?

僕は受け止められる限り話を聴いた。

お母さんと話したいのに、ずっと忙しくしてるの。

後ろから抱きついたら後ろ足で蹴られたんだ。

あとねー、鬼ごっこで、お兄ちゃん鬼なのに僕を押し入れで見つけても

外から僕を閉じ込めるんだよ。

蹴り飛ばしたら、ふすまが壊れてお母さんに僕が怒られたんだよ。

閉じ込めたのお兄ちゃんなのに。

お父さんは家でずっと寝てるの。友達と家で話してたら『うるさい』って言って、また寝るの。

お父さん怖いから外に遊びに行くしかないの。

友達も怖くなって帰っちゃったよ。

でもね、T君もM君もみんな

家族と一緒だから、お父さんに怒られた日は

もう遊んでくれないの。

だから独りで家の前の道路に落書きしてみたんだよ。

チョークみたいに白く書ける石を見つけたんだ。

仕事からお母さん帰ってきたから、道路に書いた絵を見せたの。

そうしたら、すぐに消しなさいって、また怒られたんだ。

なんでかなー、何をやっても僕は怒られるんだ。

好かれなきゃ。どうすれば好かれるんだろう。

お父さんとお母さん居なくなると

お兄ちゃんにいじめられるから

お母さんには仕事に行ってほしくないの。

熱を出すとお母さん休んでくれるから、なんとか熱を出そうと

お風呂で水かぶって

風邪ひくように頑張ったんだよ。

風邪をひけなかったら布団の中で汗を掻きながら体温を測ったんだ。

でも体温計は37度まで上がってくれないんだよ。

お母さんは、仕事に行っちゃう。

今日もお兄ちゃんにいじめられる。

もうイヤだ。お兄ちゃん居なくならないかな。

ある日、耐えられないイジメにイヤになって

台所で包丁もってお兄ちゃんを刺そうとしたこともあったんだよ。

あの時も帰ってきたお母さんは、泣き叫んでる僕を怒ったんだよ。

なんでお兄ちゃんは怒られないの?

長男だから?

家を継ぐ人だから?偉い人だから?

次男は出てく人だから要らないの?

聞きたくても聞けないからさ。。

心の中ではビクビクしながら

顔ではニコニコするしか無かったんだよ。

僕はおとなしくしなきゃいけなくて

お母さん、お父さん、お姉ちゃん、お兄ちゃんの言う事をちゃんと聞く

良い子にならなきゃいけなくて。

家の中で静かにしていなきゃいけなくて友達と遊んでても5時までに帰らなきゃいけないの。

それでね、それでね、年に一回のおでかけイベントの話でね。

お父さんの会社で祭りがあって綿菓子とかヨーヨーとか、輪投げとか、すごく楽しいんだ。でも毎年。。

僕だけ離ればなれになっちゃうんだ、

一生懸命探したけど、いつも見つけられなかったんだよ。

ずっと服を引っ張ってたのに。

ずっとズボンを掴んでたはずなのに。

どうして皆、居なくなるんだろ。

迷子センターで呼んでもらって逢えたのに

泣く僕の頭を叩いて、また怒るんだよ。

『どうして離れるんだ?』って。

ねぇ、おじさん。僕は子供でいることに疲れちゃったよ。

早く大人になりたかったんだ。

大人になって

お兄ちゃんにチカラでも頭でも全部勝って

お母さんに指輪プレゼントして喜んでもらって

『さちが居て良かった』

って言ってもらうんだよ。

あと、お父さんが、頑張って仕事しなくても

家でゆっくりできるように僕が金持ちになるんだ。

お父さんが欲しいって言ってたマッサージ椅子も買うんだよ。

お姉ちゃんは、いつもテレビの取り合いしてたから、おっきなテレビ買ってあげるよ。

ねぇ?どう?40年後のさちおじさん。僕は、なりたい大人になってる?

感情を開いたリトル君。本当によくしゃべる。よっぽど我慢してたんだな。

僕はリトルの問いに答える。

リトルさちが当時描いた大人の姿からは、、、今の僕は、かけ離れているよ。

でも僕は今の自分に満足しているよ。

兄貴は兄貴。僕は僕。

包丁事件も埋め合わせの時に話したよ。

兄貴は覚えていたよ。

『俺はいつか弟に殺されるんだな』思いながらいたって。

笑って許してくれるようになったよ。

お母さんは歳を重ねて、おばあちゃんになってイライラしなくなったよ。

リトル君が約束したプレゼントしてないけど

リトル君が欲しかった言葉は貰ってるよ。

『いらない子供なんて居ないのよ、子育てに慣れちゃって、少し雑になったかもしれないけど

 同じくらい愛情を注いだつもりよ。感じられなかったらごめんなさいだけど。』

お母さんらしい表現でしょ(笑)。

お父さんは毎日ノンビリしてるよ。

マッサージ機は買ったけど使ってくれないね。

70越えると機械は痛いみたい。

一応さ、大人の僕が迷惑をかけて借金したんだけど

借金返済名目で毎月送金してるけど気づいてないっぽいよ(笑)。

いつかお金に困る時には気づかせてあげなきゃ。

ねぇ、リトルさち君。

大人の僕は両親とか兄弟とうまく付き合えてるよ!

お姉ちゃんは立派な人と結婚して

すでにデッカいテレビがあるよ。

だからさ、リトルさち君。

君は本当に良く耐えしのんで生きてきたよ。

今、改めて御礼をいうよ。

ありがとう。お疲れ様。

僕は君のお陰で今の僕になってる。

これからは、ゆっくり自分がしたかったことを僕のココロの奥底でやれば良いよ。

門限は無いから。好きなだけ暴れてください。どうぞ!

今ね、僕の近くにはリトル君やリトルちゃんを胸に抱えている

小さかった頃の感情に気づけない人がいっぱいいるんだ。

その人たちと逢ったらさ。

僕の中から飛び出して

その人のリトル君、リトルちゃんと手を繋いで遊んであげてくれないかな。

もし、小さなリトル君が泣いていて

大人が、生きづらさを抱えたままなら。。

気づいてもらえると良いよね。

リトル君は動けないから。大人が歩み寄ってさ

胸に手を当てて聴いてみようよ。

リトル君、リトルさんが気にしてること。

困ってること、悩んでること

恐れてること、諦めていることを聴いて

ゆっくり、1つずつ解決してみよう。

気づかないフリをするのではなく

振り返れるタイミングがあれば

振り返えろう。

積極的に気づいて

積極的に癒そう。

それがリトルさちから僕が受けたメッセージ。

ACさちおじさんから皆さんへのメッセージ。



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