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先週、管理本部長に呼ばれ役員応接室へ。

妄想族の僕は

(依存症を言いふらしているのがバレたか)

(こんな時期に人事異動?にしても本部長から?)と妄想しながら部屋にはいった。

本部長の一言目。

『Aを知ってるな?亡くなったらしい、君には原因を追及してほしいんだが』

A氏が亡くなったのも驚きだが、どうして僕が、そんな事をしなければならないのか。

本部長いわく

『欠勤が続いたから人事から実家に連絡を入れさせたがか(本人は亡くなった。葬儀は済ませた。まだ詳細は話したくない)』

との事。歪んだ見方をすれば、家族ぐるみでウソをついて出社拒否してるAを守ろうとしているのかもしれない。

本部長の裏付け依頼は真相の確認。そんな所だったかな。

しかし、僕は彼に関しては自死の可能性が高いと感じていた。僕が知ってる彼はこうだ。

外資系から外資系へ転職。カッコ良く見えるが前職はクビ。今の会社でも当初期待されたが

英語が出来ない事と専門知識が中途半端な所からインテリジェンスな仕事は出来ず部署を転々とした。

メンテナンス部門に行き現場に出た時にニュースになるほどの重大事故を起こした。

お客様から賠償請求を受けた時点で、鬱を発症し

以降12年ほど簡単な実験と文書作成にしか携わっていない。

しかし彼は辞めなかった。

合弁により外資系は日系企業となり、手厚い福利厚生を受けられるようになったのと、本社の統合移転により

実家から通えるようになったからだ。

仕事は彼の能力、負荷内で必要十分なくらい与えられたように見えた。

この【見えた】が大きな間違いだった。

彼は自分がもっともっと出来る人間で今は大きな仕事をする為の準備期間なのだと言ってきたのだ。

鬱が原因で出社ままならない時期に声をかけた僕に、そう話した。

Aの上司は、さち君と仲が良いと感じたらしい。

申し訳ないがマイナー外資系からの外様は仲間っぽくて結束力がある。

でも、ただ、それだけだった。仲が良い訳ではない。

しかし本部長は誰かから、そういう僕の距離感の情報を聞き付けたのだった。

僕は家に入電し同じ会社出身で15年以上の付き合いがあると告げ訪問の許可をいただいた。

お父さんが出てこられ中に通された。

A は仏壇の写真の中にいた。

僕は彼が亡くなったことを確信した。

手を合わせ、両親に向き合った。

死因は自死だった。長い盆休みが明けても、ずっと出社出来なかったらしい。

親も扱いに困り出社しないなら自分で連絡するように伝えたが、ある朝、部屋で還らぬ人となったと

話しながら涙を流すお母さんを見て僕も泣いてしまった。

『お伝えがあります。私がA君の逝去を確認させて戴いたとしても会社への連絡は、ツラいと思いますが、

ご家族の方に、ご対応願わないと今後の会社としての話が出来かねる状況です』

どれだけ冷たい人間になれば、そんな言葉が出るんだろうと自責の念を感じながら

お伝えを終え帰社し報告した。

勤め先にはグループ企業も含めて皆見られる【訃報】の連絡掲示板がある。

あの日以来、毎日A君の訃報が掲載されるのを待っているが今日の時点でも未掲載。

まだまだ時間がかかるかも知れないが、ご両親の行動を待つしかない。

A の完璧主義、大物願望、回避癖、ぶっきらぼうな話っぷり(コミュニケーション能力)は、通じる所があった。

鬱の時に聞いた親への怒りも過去の恨みも全て繋がれたら明るい人生へ転換できたかもしれなかった。

A が生きづらさを取り払う為に、まずは仲間が必要だった。

仲間と話すことで解決、回復のヒントに気づくべきだった。

気づいたら行動すべきだった。依存のない彼は感情の問題かACの問題なんだろう。

抑鬱の薬を飲むと同時に誰かと繋がっておくべきだった。

もしかしたら薬より大切なことかも知れない。

僕はSNSを通じて、また対面を通じて日本の精神医療における過剰投薬。

カウンセリングの軽視(一般化しない仕組み)

について語ってきた。

今、一生懸命働いている仲間は昔、なぜか薬を飲み続け躁鬱を繰り返していた。

長期間の話し合いと医師を変えることで減薬に成功した。

今は薬は飲んでいない(と思う→良くなると連絡しなくなる)

生き抜く為に

誰かと繋がり悩みを共有し変えていく。

自分一人では変えられなくても背中を押してくれる誰かがいれば。

過去が現在を邪魔しているなら過去を癒す。

薬が気分をコントロールしているなら減薬を勧める医師の元

薬をコントロールした上で回復に取り組む。

A は僕の職場から90分離れた工場に勤務していた。知りえる限り自助会は無い地域だ。

A の逝去というメッセージは多くの課題を僕に遺した。

僕に確認を依頼してきたのは

本部長だったのか。

ハイヤーパワーだったのか。

天国のAだったか。

自分が感じたままに行動してみようと思った

それは、きっと

僕が生き抜く為に与えられた

A からのメッセージだから。

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