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20歳を迎えてすぐの渡米。

日本で成人式を迎えられないのは承知。

人生をやり直すつもりで僕は米国の語学留学を楽しんでいた。

何もかも忘れたい。ゼロからのスタートをアメリカで始める。

実際に留学期間中に出会った仲間たちは25年以上経つ今でも仲が良い。

ギャンブルの無い世界で過ごす僕は少しくらいはマトモな人間だった(と思う)

ちなみにアメリカに渡る前の僕は英会話とかしかも親に返せなくても\n学んでおらず先に書いた通り

バスケ好きなのでNBAの試合を英語で視聴するくらいではあったが、ほぼ無学。

入学手続きの時に何回もpardon?と聞き直したら、タメ息をつかれて

『ホケンショオネガイシマス』と言われた。

【喋れるなら日本語喋れや!】と心の中でツッコンだのは心の中にいる僕の恐れの表れ。

そんな状態の僕はバスケとニューヨークの地下鉄に座っていたホームレスの人のおかげで

英語が話せるようになる。

ホームレスの人の話を掘り下げると、、

『僕は英語が話したいので話し相手になってほしい、お金は10ドルでどう?』

と自らお金を払うのを志願して2時間/日くらい居た日を週3程度、2ヶ月くらい続けた。

おじさんはサムと名乗り僕の渡す10ドルでマクドナルドとビールを買っていたようだ。

ビザを繋ぐためにニューヨークの英語学校に転入した時に地下鉄を使わなくなったタイミングで

サムには会えなくなった。

サムに習った僕の英語は汚かったようだ。後に英会話スクールに就職するが外国人教師が

『どこで英語を学んだんだ?』と疑問を呈するほど僕の英語は流暢かつ汚かった(^_^;)

一年以上経った時に軍資金の枯渇で帰国を余儀なくされる。

僕は休学した大学に戻った。大学生活にやる気は無かったが海外で出会った彼女も日本に帰ってきたので

大学くらいは卒業して幸せな未来を描こうと決意を新たにしていた。当時地元(東海地方)に住んでいた僕は

東京の大学に通う彼女の元へ何度も通うようになった。

そこで考えるのは【カネが無い、カネが必要】という強迫観念だった。交通費、デート代。カネが必要だった。

僕はまた、戻りたくなかったギャンブルを始めるようになる。

週に一回、東京に行くためには往復の新幹線代だけでも8万円必要だった。

荒れ狂ったように月曜日~金曜日の昼はパチンコをして夜はバイトに出掛けた。

酷いときは開店から閉店まで打ち続け深夜のコンビニバイトを入れた。そして、そのまま、またパチンコ屋に向かう。

借りる度に親父のヘソクリに入れていた【一万円借りました】という申請もしなくなった。

ある日のこと。

親父のメモが、ヘソクリ財布に入っていた。

【いい加減にお金を返しなさい】

僕は謝らなければならないはずなのに『ヤバい。バレた!もう使えない』と思ってしまった。

僕は初めて公的な借金を選択する。留学キッカケで持ったクレジットカードのキャッシング。

親父に返すカネ+1万円をキャッシングし財布に戻して残りの1万円で打ちに行き、そのお金は、すぐになくなった。

実家暮らしなので少額でも財布にあれば生きていけたが、バイト代が入っても、キャッシングがバレて母親に返した。

初回はそれで済んだが、1ヶ月ギャンブルを止めて貯まったバイト代を使って、一回だけギャンブルに行ってみたら

勝ってしまい手元に20万円ほど残った。

もう僕は有頂天以外の何者でもなかった。

僕は誰よりもツイていて、僕は神様に選ばれているに違いない。

めちゃめちゃな生活をしていても、必ず取り返すことが出来る。そういう考えが浮かんでは消えて浮かんでは消えた。

英語力を活かして就職をした。仕事は嫌いではなかったし彼女と半同棲をしていて貯金も出来るようになった。

学生の頃ギャンブルで痛い思いをしたので、ギャンブルに対しては小康状態だった。

しかし半同棲していた彼女から突然距離を取りたい告白があった。僕は、高校の時の彼女にフラれた時から別れるというか

フラれることが嫌いで信じられなかった。僕は同棲している家には帰らず酒を呑み歩き慰めてくれる人と一緒にいた。

少しでも時間かあればギャンブルに行き閉店すると酒を呑み、僕はまた、一気にカネを使った。

貯金が尽きた瞬間から消費者金融に手を出した。抵抗感なく手を出してしまった。

なぜなら僕は学生の頃に【僕は誰よりもツイている】と勘違いしている。

しかも親に返せなくても親は無しくずし的に許してくれているのもあり僕は甘えているし世の中をなめていた

程なく借金地獄に陥るが夏のボーナス、冬のボーナスを全額支払いに当て事なきを得る。

さらに、ねずみ講的な組織にもハマリ人間関係を壊しながら、小銭を稼ぐのに必死になっていた。

僕はただ毎日、イライラしながら、今後の人生を考えていた。そんな時、同棲の彼女と別れた後に付き合いはじめた女性が

『ワーキングホリデーを利用して海外に行きたい』と言い始めた。

僕は人生で二回目の国外逃亡を決心する。

その時の彼女が今の妻である。

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